banner
ニュース センター
当社の商品は目の肥えた消費者の間で高い需要があります。

和牛の皮は革製品としてのスクラップの山を避ける

Sep 20, 2023

By Yoko Tanimoto / Yomiuri Shimbun Staff Writer

2023年7月30日 12時41分(日本時間)

神戸牛、馬津阪牛などのブランド和牛の皮は、本来廃棄されるはずだった食肉生産時の副産物を活用しようと企業が模索しており、皮革製品に加工されている。

環境へのアピールに加えて、「ブランド和牛の革で作られた」製品の希少性も、そのような商品の誇大広告を生み出しているようです。

神戸市の会社社長、生駒拓馬さん(37)は、兵庫県でなめされた神戸牛の牛革を使った室内履きを愛用している。 このスリッパは職人が手作業で仕上げたもので、神戸の家具会社「永田良介商店」が1足1万9800円で販売している。 「足にフィットして履きやすいです。 『食べたら使える』というコンセプトと、スタイリッシュなデザインが気に入っています」と生駒さん。

神戸牛の皮革を活用しようと、神戸市内の皮革関連企業などが2019年に「神戸レザー協同組合」を設立し、現在約20社が神戸レザー製品を製造している。

同組合は1月、パリのインテリアデザイン展示会「メゾン・エ・オブジェ」に椅子やランドセルなどを出品し、高度ななめし技術や食肉加工時に残った皮の利用などで注目を集めた。

同組合理事長の片山喜一郎さん(40)によると、和牛の皮は脂肪が多く薄く、なめしが難しいため、日本製の革製品には輸入皮革が使われることが多かった。 ただし、通常よりもコストをかけてなめした神戸牛の牛革を使用しています。

「革を海外から輸送する必要がないので、輸送にコストもエネルギーもかかりません」と片山氏は言う。 「さらに、これまで十分に活用されていなかった皮革にも価値を見出しました。 それを商品化することが環境に優しいのです。」

また、消費者は、丁寧に育てられたブランド和牛の革を使用していることにも魅力を感じていると片山氏は語った。

東京都台東区のメーカー「株式会社バンビ」は、三重県のブランド牛「松阪牛」の革を使った製品を作っています。 ザ・バンビの営業・企画担当の片山晋呉さんは素材の良さを強調する。 「コードバンのような美しい光沢があり、独特の柔らかさが特徴の革です」と片山さん。

ザ・バンビの腕時計ストラップや財布の一部には、松阪牛の個体識別番号が刻印されています。 追跡システムにより、消費者は専用ウェブサイトにID番号を入力することで、その動物が飼育された農場の情報を簡単に見つけることができます。

滋賀県で近江肉牛を自社牧場で育てる株式会社おかきは、近江八幡市の革製品工房「コゴコロ」と提携し、牛の革を使ったキーポーチやトートバッグを製作した。

環境や社会に配慮して物を買うことを倫理的消費主義といいます。 ファッションジャーナリストで日本エシカルイニシアティブ会長の生駒芳子氏は、ブランド和牛の革を使った製品の普及を歓迎する。 「アイデアやテクノロジーにより、これまで活用されていなかった素材でも資源に変えることができます。 和牛皮への取り組みはその良い例であり、倫理的な消費主義の促進に役立つでしょう」と生駒氏は語った。

JNアクセスランキング